【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NI1303
利用課題名 / Title
酸化チタンーゼオライト複合材料のガス吸着特性
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋工業大学 / Nagoya Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)次世代ナノスケールマテリアル/Next-generation nanoscale materials(副 / Sub)マテリアルの高度循環のための技術/Advanced materials recycling technologies
キーワード / Keywords
ゼオライト, 酸化チタン, 光触媒,電子顕微鏡/Electron microscopy,資源代替技術/ Resource alternative technology,ナノ多孔体/ Nanoporuous material
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
本田 光裕
所属名 / Affiliation
名古屋工業大学
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
フライアッシュ(FA)は、石炭火力発電所から産業廃棄物として排出される廃材である。廃材の有効利用という観点から、FAの改質によるゼオライト材料への変換が行われてきた。一方、酸化チタン(TiO2)は化学的に安定で毒性がなく、安価な半導体光触媒として認識されており、光触媒材料として高い可能性を持っている。ゼオライトと酸化チタンの複合体は、ゼオライトの優れた吸着性により、TiO2の光触媒活性を向上させる可能性がある。本研究の目的は、液相析出法(LPD法)という低エネルギーかる低環境負荷な合成方法により、FA由来のゼオライトと酸化チタンの複合材料を形成することが目的である。
実験 / Experimental
ゼオライトは、水酸化ナトリウム水溶液中で125℃、8時間水熱処理を行い、蒸留水で洗浄した後、オーブン内で105℃、4時間乾燥させることにより調製した。チタンフッ化アンモニウム(0.1M)とホウ酸(0.3M)水溶液を用い、攪拌下70˚Cで3時間LPD法にゼオライトを添加してTiO2/ゼオライト複合体を調製した。得られた粉末を、遠心分離(3000rpm)により20分間分離し、蒸留水により3度洗浄して室温で乾燥した。その後、SEMーEDS、XRD、紫外可視分光光度計ででサンプルの特性を評価した。また、TiO2/ゼオライト複合体の光触媒活性を評価するために、有機汚染物質モデル分子としてメチレンブルーを用いて光触媒実験を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
XRD分析よって、フライアッシュがNaP1およびAnalcimeゼオライトに変換されることが確認された。また、ゼオライトへ酸化チタンを担持すると、ゼオライトのピークが消失し、アナターゼ型TiO2のピークが生じることがわかった。SEM観察によると、TiO2/ゼオライト複合体表面に高密度に粒子が形成していることが確認された。一方、EDSマッピングによる構造観察では、それら高密度微粒子は、TiO2粒子であることが確認され、ゼオライト表面が酸化チタンによって完全に覆われていることが確認された。この結果は、LPDによってTiO2/ゼオライト複合体が形成されたことを示す。TiO2/ゼオライト複合体の吸着特性は酸化チタンよりも高かったが、光触媒反応速度は低減した。吸着特性と光触媒活性を最大限引き出すためには、酸化チタンの粒子径やゼオライト表面への被覆率を最適化する必要があると考えられる。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
- Popy Listiani, Mitsuhiro Honda, Yo Ichikawa, Yoshimi Horio, "Synthesize of Zeolite from Fly Ash by Hydrothermal Method and the Potential of TiO2/Zeolite Composite Formation by Liquid Phase Deposition Method", The 21st Japan Surface Vacuum Society Chubu Branch Academic Lecture
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件