【公開日:2023.08.01】【最終更新日:2023.05.08】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
22NI0812
利用課題名 / Title
溶液プロセスに利用可能な含ホウ素有機半導体材料の合成と物性
利用した実施機関 / Support Institute
名古屋工業大学 / Nagoya Tech.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)物質・材料合成プロセス/Molecule & Material Synthesis
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed
キーワード / Keywords
化合物半導体, 有機エレクトロニクス, 溶液プロセス,X線回折/X-ray diffraction
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
Fukuoka Taichi
所属名 / Affiliation
名古屋工業大学大学院工学研究科
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type
(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
当研究室で以前開発したホウ素化合物は蒸着プロセスではn型半導体特性を示したが、溶液プロセスでは化合物の安定性が低いために十分な特性が得られなかった。そこで、この課題を解決する目的で、本研究では溶液プロセスに利用可能な新規ホウ素化合物の設計および合成と基礎物性の調査を行った。得られた化合物は溶液中でも安定に存在し、良好な電気化学活性が観測された。そこで、単結晶構造解析を行い、分子構造と分子配列を調査して、結晶中での集合状態を考察した。
実験 / Experimental
ホウ素化合物の合成は、ビチオフェン誘導体へのアセチル化、クライゼン縮合、側鎖の導入、ホウ素キレート反応により行い、3種類の化合物を得た。これらの化合物について蒸気拡散法で単結晶の作製を検討した。さまざまな溶媒の組み合わせを調査した結果、化合物1で酢酸エチル/ヘキサンの組み合わせから橙色・プレート状結晶が得られた。そこで、これを用いて単結晶X線構造解析を行った。測定にはRigaku CCD Diffractometerを用い、解析にはSir2004およびSHELXLを使用した。また、分子配列の解析にはMercuryソフトを用いた。
結果と考察 / Results and Discussion
化合物1でいくつかの単結晶について測定を行ったが、反射データの不足により解析が完全に終了することは出来なかった。しかし、等方性温度因子による精密化まで至った測定データがあり、現時点ではこのデータを用いて分子構造と分子配列を考察することにした。化合物1の分子構造と分子配列を図1に示す。分子構造はビチオフェンおよびホウ素キレート部位でほぼ平面であり、分子の短軸方向にカラム状に整列していた。水素原子は付いていないが、分子間F…Hの相互作用が予想される。これにより、シート状のネットワークが形成されていた。スタッキング方向には3.3 Aで積層しており、この方向にキャリアが移動できると考えられる。基板上での分子配列は結晶構造のものから変化する場合があるが、本研究で得られた分子配列は半導体特性が十分期待できるものであり、今後、半導体特性について研究を推進する上で原動力となる結果が得られた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
図1 化合物1の分子配列と積層パターン
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
なし
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件