【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.19】
課題データ / Project Data
課題番号 / Project Issue Number
23KT0050
利用課題名 / Title
スピネル酸化物正極へのマグネシウム挿入反応機構の解明
利用した実施機関 / Support Institute
京都大学 / Kyoto Univ.
機関外・機関内の利用 / External or Internal Use
外部利用/External Use
技術領域 / Technology Area
【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-
【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)革新的なエネルギー変換を可能とするマテリアル/Materials enabling innovative energy conversion(副 / Sub)-
キーワード / Keywords
二次電池/ Secondary battery
利用者と利用形態 / User and Support Type
利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)
山本 健太郎
所属名 / Affiliation
奈良女子大学研究院 工学系
共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
清村 勤
利用形態 / Support Type
(主 / Main)技術代行/Technology Substitution(副 / Sub)-
利用した主な設備 / Equipment Used in This Project
KT-403:モノクロメータ搭載低加速原子分解能分析電子顕微鏡
報告書データ / Report
概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)
スピネル酸化物は高電位でマグネシウムイオンの挿入脱離が可能であるため、マグネシウム二次電池の正極材料として期待されている。しかし、スピネル酸化物はマグネシウム挿入時にスピネル相から岩塩相への相転移による大きな分極が生じることが課題となっている。Znを含むスピネル酸化物を用いると、スピネル相と岩塩相間の相転移の可逆性が向上することが報告されているが、その反応機構は十分に理解されていない。本研究では、その反応機構の理解のために、マグネシウムイオン挿入後のZnMn2O4スピネル酸化物正極に対してSTEM-EDX分析を行うことで、正極粒子内のマグネシウムイオンの分布を明らかにする。
実験 / Experimental
ZnMn2O4、アセチレンブラック、 poly(vinylidene fluoride)を80:10:10 wt%で混合したZnMn2O4合剤電極を作製した。ZnMn2O4合剤電極を作用極、 0.3 M Magnesium tetrakis(hexafluoroisopropyloxy)borate (Mg[B(HFIP)4]2)/triglyme、Mg-Al-Zn合金(Mg:Al:Zn atomic ratio of 96:3:1)箔を対極とした二極式セルを構築し、C/20(1C=224 mA/g)の電流密度にて0.1 Vのカットオフ電圧にあたるまで定電流放電を行った。その後、二極式セルを解体し、サンプルを洗浄したのちにSTEM-EDX分析を行った。
結果と考察 / Results and Discussion
STEM-EDXマッピングにより、Zn, Mn, Oが含まれるZnMn2O4の二次粒子内においてMgが均一に分布していることが観測された。Znに対するMgの原子比率は0.38であったことから、MgのシグナルはZnMn2O4の表面に残存した電解液由来のものではなく、ZnMn2O4粒子内に存在しているMg由来のものであると考えられる。この結果から、ZnMn2O4内にマグネシウムイオンが電気化学的に挿入されていることが確かめられた。
図・表・数式 / Figures, Tables and Equations
フル放電後のZnMn2O4スピネル酸化物正極のSTEM-EDXマッピング
その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)
成果発表・成果利用 / Publication and Patents
論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
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Kentaro Yamamoto, Phase Transition Mechanism of ZnMn2O4 Spinel Oxide with Electrochemical Magnesium-Ion Insertion, The Journal of Physical Chemistry C, 128, 1886-1892(2024).
DOI: https://doi.org/10.1021/acs.jpcc.3c06518
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents
特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件