利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.03.25】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23KT1165

利用課題名 / Title

パリレン基板を用いたフレキシブル3ωセンサの作製と評価

利用した実施機関 / Support Institute

京都大学 / Kyoto Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)マルチマテリアル化技術・次世代高分子マテリアル/Multi-material technologies / Next-generation high-molecular materials

キーワード / Keywords

フレキシブルセンサ, 流体, 熱物性, 熱計測,センサ/ Sensor,蒸着・成膜/ Vapor deposition/film formation,3D積層技術/ 3D lamination technology


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

廣谷 潤

所属名 / Affiliation

京都大学 大学院工学研究科

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes
ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub)-


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

KT-251:パリレン成膜装置
KT-258:電子線蒸着装置(2)


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

流体やソフトマテリアルの熱物性計測を目指して3ω法に基づくセンサを開発している。3ω法とは基板上に作製した薄膜電極に試料を垂らし、交流電流を流した時の出力電圧の角周波数3ω成分から試料の熱物性値を計測する手法である。本研究では、従来よりも高感度に計測することを目的として厚さ1ミクロン以下のパリレン薄膜を基板とするセンサを作製した。

実験 / Experimental

Fig.1にパリレン自立薄膜の作製手法を示す。パリレン薄膜作製のために熱剥離シートを使用した。熱剥離シート上に犠牲層としてフォトレジストを塗布し、パリレンをパリレンコーターで成膜した。そして加熱剥離し、アセトンでフォトレジストを除去してパリレン自立薄膜を作製した。ここで、Si基板に同条件で成膜したパリレンの厚さを光干渉膜圧計で測定した値をパリレン自立薄膜の厚さとした。
作製したセンサを用いて、試料を水、エタノール、IPAとして3ω法に基づく熱伝導率計測を行なった。出力電圧の3ω成分はロックインアンプで測定した。

結果と考察 / Results and Discussion

Fig.2に作製した3ωセンサを示す。パリレン自立薄膜はマスキングテープで補強して強度を向上させ、厚さ812nmのセンサの作製に成功した。
作製したセンサを用いて3ω測定した結果をFig.3に示す。これより試料の熱伝導率が小さいほど出力電圧が大きいことがわかる。これは出力電圧が抵抗の温度上昇値に比例するため、液体の熱伝導率が小さく抵抗から熱が逃げにくいほど温度が上昇して出力電圧が大きくなるからであると考えられる。今後は得られた結果を用いて熱物性値の算出を目指す。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Fig.1 Fabrication process of thin parylene film



Fig.2 Fabricated parylene sensor



Fig.3 Measured third harmonic voltages for each sample liquid


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. 山崎瑠斗, 松永優希, Amit Banerjee, 土屋智由, 廣谷潤, 第60回日本伝熱シンポジウム, 2023/5, 日本伝熱学会
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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