利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.29】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT0156

利用課題名 / Title

ダイヤモンドの高能率高精度加工

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

内部利用(ARIM事業参画者以外)/Internal Use (by non ARIM members)

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)計測・分析/Advanced Characterization(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)高度なデバイス機能の発現を可能とするマテリアル/Materials allowing high-level device functions to be performed(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

ダイアモンド、微細加工、超短パルスレーザー,高品質プロセス材料/技術/ High quality process materials/technique,光学顕微鏡/ Optical microscope,エリプソメトリ/ Ellipsometry


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

ヨシザキ レイナ

所属名 / Affiliation

東京大学 工学系研究科 人工物工学研究センター

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

張艶明

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes

小西 邦昭,櫻井 治之

利用形態 / Support Type

(主 / Main)技術補助/Technical Assistance(副 / Sub),機器利用/Equipment Utilization


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-303:分光エリプソメータ
UT-850:形状・膜厚・電気特性評価装置群


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

ダイヤモンドにおける超短パルスレーザ微細加工の制御に向けた加工の正確なモデル化を目指している.一口にダイヤモンドといっても,結晶性や,合成方法,メーカーやロット,ひいては部位によっても加工特性は異なり,モデルと実際の加工現象の較正のためには,評価するサンプルの光学特性を正確に把握する必要がある.今回は評価する,3つのダイヤモンドサンプルの光学定数(屈折率と消光係数)を把握するために,エリプソメータによる測定を実施した.更に,加工の評価指標 としてレーザ照射による材料除去量をレーザ顕微鏡で計測した。

実験 / Experimental

サンプルとして,エレメントシックス社のCVD単結晶ダイヤモンド(SCD)と,二つの異なるレベルのCVD多結晶ダイヤモンド(TM100およびTM200)についてエリプソメータで測定し、モデルから屈折率と消光係数を推定した。それぞれのダイヤモンドに 対して,超短パルスレーザを様々なパラメータで照射した際のサンプルの表面プロ ファイルをレーザ顕微鏡で計測し,材料除去体積を評価した。

結果と考察 / Results and Discussion

計測結果から得られた屈折率と消光係数をそれぞれ図1と図2に示す.サンプルによって屈折率も消光係数も異なっていることが明らかである.波長500 nm以上の領域においては,基本的にSCD単結晶ダイヤモンドが屈折率が最も低く,不純物がより少ない多結晶ダイヤモンドのTM100が最も高い結果となった.また,消光係数については,TM100が最も低く,不純物がより多い多結晶ダイヤモンドのTM200が最も大きいという結果となった.ただし,目で見た場合もっとも透明性が高いサンプルは単結晶ダイヤモンドである.これは,多結晶ダイヤモンドは内部の粒界での散乱ゆえに透過性が低く,実際の消光係数は非常に低いということを示唆している.ただし,測定やモデル化の検証が十分でないため,今後別の手法でも屈折率および消光係数を推定することで,多結晶ダイヤモンドサンプルでは消光係数が低いという仮説が真であるかを検証していく予定である.また,今回得られた結果を加工モデルに反映することで,加工シミュレーションの再限度合いが高くなるかも検証をすすめている.超短パルスレーザ照射時のプロファイル計測によって,各パラメータ における材料除去体積および材料除去閾値を算出した.例えば単結晶ダイヤモンド については,波長1030nmの超短パルスレーザに対して,パルス幅180 fsでは損傷 閾値が3.7 J/cm2 , 500 fsでは損傷閾値が5.2 J/cm2 , 1 psでは損傷閾値が5.9 J/cm2 , と計算された。

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


図1 TM100, TM200, SCDの3種類のダイヤモンドの屈折率の波長依存性



図2 TM100, TM200, SCDの3種類のダイヤモンドの消光係数の波長依存性


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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