利用報告書 / User's Reports


【公開日:2024.07.25】【最終更新日:2024.05.10】

課題データ / Project Data

課題番号 / Project Issue Number

23UT1033

利用課題名 / Title

積層超伝導量子コンピュータ

利用した実施機関 / Support Institute

東京大学 / Tokyo Univ.

機関外・機関内の利用 / External or Internal Use

外部利用/External Use

技術領域 / Technology Area

【横断技術領域 / Cross-Technology Area】(主 / Main)加工・デバイスプロセス/Nanofabrication(副 / Sub)-

【重要技術領域 / Important Technology Area】(主 / Main)量子・電子制御により革新的な機能を発現するマテリアル/Materials using quantum and electronic control to perform innovative functions(副 / Sub)-

キーワード / Keywords

フリップチップポンダー,ボンディング/ Bonding,量子コンピューター/ Quantum computer


利用者と利用形態 / User and Support Type

利用者名(課題申請者)/ User Name (Project Applicant)

田渕 豊

所属名 / Affiliation

理化学研究所

共同利用者氏名 / Names of Collaborators in Other Institutes Than Hub and Spoke Institutes

政岡文平

ARIM実施機関支援担当者 / Names of Collaborators in The Hub and Spoke Institutes
利用形態 / Support Type

(主 / Main)機器利用/Equipment Utilization(副 / Sub),技術相談/Technical Consultation


利用した主な設備 / Equipment Used in This Project

UT-911:精密フリップチップボンダー


報告書データ / Report

概要(目的・用途・実施内容)/ Abstract (Aim, Use Applications and Contents)

我々は超伝導体を用いた量子ビットの研究開発を行っている。平面状に集積される量子ビットの配線密度を緩和し、さらに拡張性を向上させるため、我々は積層基板による超伝導素子研究を進めている。基板間を接続する技術として極低温下にて超伝導を示すインジウム突起電極を用いたフリップチップ接合を採用し、東京大学ARIM微細加工部門のフリップチップボンダーを用いて素子を試作した。

実験 / Experimental

Figure1(a)に素子構造の断面図を示す。シリコン基板に貫通穴を設けて壁面を金属化し基板貫通電極(TSV)を形成し、疑似的な同軸構造を形成する。基板間にインジウムバンプ電極を設けて、フリップチップボンディングにより電気的な接触を実現する。超伝導回路は10ギガヘルツの高周波信号が伝搬するように設計されており、二つある基板のうち下側基板の下面からマイクロ波を導波し、上側基板の上面からマイクロ波を取り出す。回路は極低温下において超伝導するアルミニウムとインジウムを用いて設計・試作された(Figure1(b))。希釈冷凍機を用いて10ミリケルビン環境下においてマイクロ波の透過特性を測定する。マイクロ波の透過振幅を精密に測定するためマイクロ波スイッチを用いて参照と被測定物を切り替えられるように測定系が構成されている。

結果と考察 / Results and Discussion

常温における通過特性(散乱行列におけるS21パラメータ)をFigure1(c)に示す。4ギガヘルツから12ギガヘルツの広帯域にわたる平坦な位相伝搬特性が得られていることがわかる。極低温下における特性評価を行ったところ(図は非公開)4-12ギガヘルツにおける平坦な伝搬特性が得られた。マイクロ波スイッチを用いた通過損失評価の結果、通過損失が2 dB以下という良好な透過特性が得られていることが分かった。 

図・表・数式 / Figures, Tables and Equations


Figure1  積層基板を用いた集積構造評価素子


その他・特記事項(参考文献・謝辞等) / Remarks(References and Acknowledgements)

This work is supported by JST Moonshot R&D (Grant No. JPMJMS2067) and ARIM in MEXT (Grant No. JPMXP1223UT1033). A part of the fabrication was conducted in Takeda Cleanroom, Center of U-Tokyo for ARIM and Data Hub.


成果発表・成果利用 / Publication and Patents

論文・プロシーディング(DOIのあるもの) / DOI (Publication and Proceedings)
口頭発表、ポスター発表および、その他の論文 / Oral Presentations etc.
  1. Bunpei Masaoka, Shuhei Tamate, Shinichi Yorozu, Yutaka Tabuchi, Vertical signal transmission in stacked substrates for superconducting quantum circuits, The 36th International symposium on superconductivity, Wellington (28-30, Nov, 2023)
特許 / Patents

特許出願件数 / Number of Patent Applications:0件
特許登録件数 / Number of Registered Patents:0件

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