参画機関から

分子・物質合成 北陸先端科学技術大学院大学 北陸先端科学技術大学院大学

植物が胚を形成するメカニズムの一端を解明

 北陸先端科学技術大学院大学 分子・物質合成プラットフォームは,石川県立大学・森 正之准教授,英国ワーリック大学・グティエレスマルコス教授らとの共同で,顕花植物における重複受精の際に初期胚が形成されるメカニズムの一端を解明しました.

 分子生物学,生化学,構造生物学などの基礎研究分野では,一般的に遺伝子組み換え大腸菌や酵母を利用して試料タンパク質を調製します.しかし,リン酸化などの翻訳後修飾を受けたり,ジスルフィド結合を持つタンパク質の調製は従来法では困難でした.これを解決するために,協同研究グループは,植物細胞を利用して試料タンパク質の調製を行う新規システムの開発を行いました.

 今回は,この植物細胞の試料調製システムを応用して,新たに発見された植物が胚を形成するときに特異的に発現するペプチドを大量調製し,その立体構造と作用機序の解明に成功しました.

 本研究の成果は,北陸先端科学技術大学院大学,石川県立大学をはじめ4カ国6研究室の協同研究で得られたもので,米国科学誌「Science」(344巻,168-172ページ)に掲載されました.


左図:NMRで解析された新規ペプチドESFの立体構造(リボンモデル表示).分子内には4組のジスルフィド結合(Cys残基側鎖を棒と球モデルで表示)がある.緑で示した2個のTrp側鎖が機能発現に必須であることがわかった.